誕生ストーリー
ぐらんふぁーむのグラノーラは、
オーナー自身の経験から、長い過程を経て誕生しました。
今もなお商品改良を加えながら、
おいしいグラノーラをお届けできるよう、活動しています。
STORY 00
gran*nolaはこうして生まれた
甘いものが好き、脂っぽいものが好き、塩気の濃いものが好き・・・と健康の欠片も考えずに好きなものを食し続けてきた生活習慣から、大病を患ったのは5年程前のことです。
高血圧、高脂血症から立て続けに、大動脈瘤、心筋梗塞、くも膜下出血と病院でお世話になり大きい手術で、命を繋いでもらい現状に至ります。食だけが原因とは言いませんが、明らかに当時の食生活が大きく影響していたと思います。さしあたっては、体重を減らすことが重要な課題でした。ですが、美味しくないものや淡白な食生活は続かず、なかなか食の改善をすることは難しいものでした。それでも野菜を主体として、食の改善に努めて、なんとか現状に至っています。
そこで、健康な長寿を実現するには、おいしく栄養バランスの良いものが必須だと感じ、商品の開発に当たりました。おいしく栄養バランスの良いものは、無限にありますが、その中でも日本が抱えている食料事情の問題解決の一助となるものに取り組みたいと始めたのが、今の事業です。
最初の商品としてグラノーラを選んだ理由は、立ち寄った喫茶店で食したグラノーラがおいしかったからです。そのグラノーラは確かにおいしいものでしたが、グラノーラやシリアルという商品を知れば知るほど、その味わいは、輸入された材料で無味乾燥なものか、油脂と砂糖が思っている以上に入っているという両極端であることが気になりました。 バターや砂糖たっぷりのクッキーに比しては、健康志向なのですが・・・。これを国産材料でかつ油脂や砂糖、添加剤をできるだけ抑えて、おいしいものを作れないだろうか・・・という思いがきっかけとなったのです。
STORY 01
大麦材の開発
【最高のグラノーラは、大麦が要】
開発に当たって最初に躓いたのが、基材となる麦粒の選定でした。様々な国産麦粒を購入して試してみるとグラノーラに適したものがなかなかありません。小麦ではなく、粒で焼いて香ばしさと栄養価の高い燕麦やライ麦が必要でした。しかし、日本の麦食文化は、「煮炊き」の文化であり、麦を「焼く」という食文化は海外の物です。
昨今、パン食は当たり前のように普及していますが、小麦粉が主体です。煮炊きの為の麦粒は市販されていますが、グラノーラを焼く為に適した材料となる国産の麦粒には、たどり着けませんでした。
焼くための燕麦やライ麦といった圧偏麦は、輸入材が主であることから国産品の調達に窮し、いくつかの麦メーカーや商社に相談しましたが、けんもほろろでした。
しかし、唯一「やってみましょう」と言って下さる会社があったのです。これがきっかけで、当社のグラノーラ開発は大きく一歩を踏み出しました。国産の大麦で程よい食感と香ばしさ、麦独特の甘さを満たして仕上げることができたこと・・・本当に感謝しています。
STORY 02
おいしく、健康をめざした具材(ドライフルーツなど)の開発
【砂糖や塩を使わない・保存性のよいドライフルーツを】
次の難関は、砂糖や塩をできるだけ使わずに保存性の高いドライフルーツなどの具材を開発することでした。砂糖や塩を多量に使えば保存性が増すことは周知の通りですが、おいしさと健康を求めていく中では、相反するものです。
流通品のドライフルーツは、美味しい!と感じるものは数多くありますが、何れも輸入品が殆どです。中国産をはじめとしてアメリカ、トルコ、ベトナム・・・産地は広く、中には着色料や保存料が使われているものも少なくありません。加えて、美味しさと保存性の為に多量に加糖されたものが多いのも事実です。そこで、できるだけ添加物を加えず、素材そのもの甘さを引き出しで「おいしい」にまで仕上げることへのチャレンジが始まりました。
おいしさと良質な材料を求め、自らあれこれ試行錯誤している間に・・・使用する具材の全てが自社製になってしまい、いつの間にか、あれも作りこれも作らなくてはならなくなり、製造能力を遥かに超えることになってしまいました。これは無理だと考え、理想とする材料を供給して下さる会社を探し、産地、味わい、品質の条件を満たしてくれそうな商品を試してみました。現在使用している具材は、安全性、食感、味わい、品質ともに供給して下さる会社や農家の皆さんの姿勢を感じる商品の結集です。
ナッツも国産の美味しいもを・・・と選定しましたが、どうしても難しいのがアーモンドでした。国内でのアーモンド栽培は進められているようですが、まだ国産材料として使用するには至りません。
STORY 03
ソースの開発
【グラノーラの旨みを与える最高のソースを探して】
焼成の仕上げに用いるソースの役割は、粒の結合、味、食感の仕上げです。 どんなに良い基材や具材を使っても、仕上げで油脂や糖の過剰は、健康を目した商品には仕上がりません。甘味やコッテリ感だけに依存せずに美味しさを感じる、「旨み」を与えるソースがテーマでした。出汁を使うわけでもないグラノーラに「旨み」を与えるとは、トンチンカンに思われるかも知れませんが、真剣に考えました。
旨みとは、一般的にアミノ酸と言われる群が知られていますが、それとは別に糖の雑味や塩の雑味が旨みにつながることも知られており、黒糖や天塩といわれるものが、それら糖や塩の不純物によって感じられる旨みです。グラノーラのソースに使う糖や塩も、同様の考え方で、試作を繰り返しながら選定しました。天然の糖と塩を用いて、自然の作り出す旨みの力を借りました。旨みを助けてくれるもう一つの要素が、「香り」です。香りを左右する要素として、基材、具材と油脂の相性があります。添加量や焼成条件によって、油特有の酸化による臭みにつながります。つまり、旨みと臭みは表裏であり、焼成条件や経時変化により「不味い」に至ってしまいます。油脂の選定にはでしゃばり過ぎず、旨みを感じる最小限の添加を心掛けました。
STORY 04
焼成による仕上げ
【心こめて焼き上げる焼成工程】
グラノーラの製法で美味しさに最も影響を与えるのは、焼成工程です。
国産のおいしい基材、具材、ソースを生かすには、焼成の温度、時間は勿論のこと、それぞれをどのタイミングで加えて何度焼くかで決まります。イタリアの美味しい焼き菓子にビスコットというものがあります。由来は2度焼きだそうです。当工房のグラノーラも、手間を惜しまずに、心をこめて焼き上げます。